製作者:豊創庵 店主さん
素材が非常に堅かったので、内縫で反転させることが出来ず外縫のトートバックを作成。全体的に手縫いなので沢山の時間を要した。
素材が非常に堅かったので、内縫で反転させることが出来ず外縫のトートバックを作成。全体的に手縫いなので沢山の時間を要した。
今回ご紹介するのは、豊創庵 店主さんが制作したトートバッグです。「素材が非常に堅かったので、内縫で反転させることが出来ず外縫のトートバッグを作成。全体的に手縫いなので沢山の時間を要した」と豊創庵 店主さん。素材の特性を見極め、工法を選び抜いた職人気質の一作です。
革小物やバッグの縫製には、大きく分けて「内縫い」と「外縫い」の2つの工法があります。
内縫いは、革の表側同士を合わせて縫った後に裏返す技法。縫い代が内側に隠れるため、しなやかな革を使ったバッグでよく用いられます。ただし堅い革では、裏返す際にコーナー部分が割れてしまうリスクがあり、そもそも裏返し自体が難しいケースも少なくありません。
一方の外縫いは、革の裏面同士を合わせたまま縫い上げ、裏返さずに仕上げる技法。コバ(切り口)を磨き上げて見せる、いわば革本来の質感を活かす作り方です。堅い革・厚みのある革との相性がよく、縫い目そのものがデザインとして表情を生み出します。
今回のトートバッグは、素材の堅さゆえに内縫いでの反転が難しく、外縫いという選択に至りました。堅牢な革の個性を、工法の面からも余すことなく引き出した一作といえます。
「全体的に手縫いなので沢山の時間を要した」とのコメントから、堅い革と向き合いながら一針一針丁寧に縫い上げた職人の姿勢が伝わってきます。堅い革は手縫いによってこそ、その堅実さと美しい表情を最大限に引き出せます。
本作品に使用したのはエレナ 半裁です。「Elena」はイタリア語で「光」を意味する革。吟が締まっており高級感のある表面と、ハリと厚みのある堅実な質感が特徴です。クロムなめしの柔軟性とタンニンなめしのコシを組み合わせたコンビなめし製法により、しなやかさと堅実さを兼ね備えた素材です。革の特性上、外縫いのバッグ制作に最適です。